GoogleのAI「Gemini」に自社情報が間違って表示される原因を6つに分類し、具体的な修正手順を解説。Googleビジネスプロフィール、構造化データ、NAP統一など実践的な対策を優先度順に紹介します。

金井 成仁
合同会社NAVIGATE 代表 | データサイエンティスト / AIコンサルタント
「うちの会社の住所が旧オフィスのままだ」「サービス内容が全然違う」「代表者名が間違っている」
GoogleのAI「Gemini」に自社名を聞いたとき、こうした不正確な情報が表示されて焦った経験はないでしょうか。
NAVIGATEの金井です。AI検索対策を支援する中で、「Geminiに表示される自社情報を直したい」というご相談は最も多い問い合わせの一つです。
そこで本記事では、Geminiが間違った情報を表示する原因を分類し、それぞれに対する具体的な修正方法をステップバイステップで解説します。
修正方法を知る前に、Geminiの情報源を理解しておく必要があります。
Geminiはこれらの情報を総合的に参照し、回答を生成しています。つまり、情報源のどこかに古い情報や矛盾する情報があると、Geminiの回答が不正確になるのです。
最も多いパターンです。自社サイトを更新しても、Googleのクローラーがまだ新しい情報を取得していない場合、Geminiは古い情報を参照してしまいます。
こんな症状が出る:
Googleビジネスプロフィール(GBP)は、Geminiにとって最も信頼度の高い情報源の一つです。ここが古いままだと、自社サイトを更新してもGeminiの回答は変わらないことがあります。
こんな症状が出る:
構造化データ(JSON-LD)が実装されていないと、Geminiはページの文章から情報を「推測」するしかありません。推測が正しくないことは珍しくありません。
こんな症状が出る:
NAP(Name, Address, Phone)情報が、自社サイト、GBP、各種ポータルサイト、SNSなどで異なっている場合、Geminiは「どれが正しいか分からない」状態になります。
こんな症状が出る:
自社サイトは最新でも、求人サイト、比較サイト、過去のプレスリリースなどに古い情報が残っていると、Geminiがそちらを参照してしまうことがあります。
こんな症状が出る:
見落とされがちですが、実害の大きいパターンです。自社と同じ(または似た)名前の会社・サービスが他に存在する場合、Geminiがその別事業の情報を自社の説明として混ぜて返すことがあります。実際に当社(NAVIGATE)でも、同名の別サービスと取り違えられ、まったく身に覚えのない事業内容を説明された事例を確認しています。
こんな症状が出る:
この場合は情報の鮮度ではなく「エンティティ(実体)の区別」の問題なので、後述のNAP統一と構造化データによる自社の一意化が特に効きます。
原因が分かったところで、具体的な修正手順を解説します。優先度の高い順に並べているので、上から順に取り組んでください。
所要時間:30分〜1時間
GBPはGeminiにとって最も信頼性の高い情報源です。ここを正しくすることが最優先です。
ポイント: 説明文には主要サービスと対象顧客を含めてください。Geminiはこの説明文を回答に引用することがあります。
所要時間:2〜4時間(エンジニアリソースが必要な場合あり)
構造化データは、Webページの情報を機械が正確に読み取るための仕組みです。以下のスキーマを自社サイトのトップページに実装してください。
最低限実装すべきスキーマ:
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "正式会社名",
"url": "https://example.com",
"logo": "https://example.com/logo.png",
"foundingDate": "2020-01-01",
"founder": {
"@type": "Person",
"name": "代表者名"
},
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "番地・ビル名",
"addressLocality": "市区町村",
"addressRegion": "都道府県",
"postalCode": "123-4567",
"addressCountry": "JP"
},
"telephone": "+81-XX-XXXX-XXXX",
"description": "事業内容の簡潔な説明",
"sameAs": [
"https://twitter.com/yourcompany",
"https://www.linkedin.com/company/yourcompany"
]
}
追加で実装すると効果的なスキーマ:
Service — 各サービスの詳細FAQPage — よくある質問Person — 代表者の詳細プロフィールとくにsameAsは、SNSや外部プロフィールと自社を結びつけて「同名の別事業」との区別(原因6への対策)にも働きます。実装後はGoogleのリッチリザルトテストでエラーがないか確認してください。書き方の詳細は構造化データ(JSON-LD)入門にまとめています。
所要時間:2〜5時間(掲載プラットフォーム数による)
自社情報が掲載されている全てのプラットフォームで、情報を完全に統一してください。
確認すべきプラットフォーム:
統一すべき項目:
掲載先によっては、自分で編集できないサイトもあります。その場合は運営者に修正を依頼してください。
所要時間:15分
自社サイトを更新した後、Googleが新しい情報をクロールするのを待つだけでなく、能動的にクロールを促しましょう。
これにより、通常より早く新しい情報がGoogleのインデックスに反映され、Geminiの回答も更新されます。
llms.txtはAI向けにサイト情報をまとめたファイルですが、正直にお伝えすると、設置とAIでの表示改善の間に有意な効果は確認されていません(30万ドメイン規模の調査で相関なし、Googleも「使っていない」と明言)。設置は数分で終わり害もないので、上記ステップを終えたあとの「保険」として置いておく程度に捉えてください。詳しい経緯はllms.txtは効かない。それでも設置を勧める理由で書いています。
施策を実行したら、定期的にGeminiでの表示状況を確認しましょう。
以下のようなプロンプトでGeminiに質問してみてください。
注意点がひとつあります。AIの回答は同じ質問でも毎回ゆれるため、1回の確認で「直った」「直っていない」を判断しないことです。日を分けて複数回聞き、傾向で判断してください。この考え方はAIの「おすすめ」は毎回変わる——回答がブレる理由と、出現率で測る方法で詳しく解説しています。
上記のステップを全て実行しても情報が修正されないケースがあります。その場合は以下を試してください。
Googleの検索結果に表示されるナレッジパネル(右側の情報ボックス)に間違いがある場合、直接修正を申請できます。ナレッジパネルの「情報の修正を提案」から申請してください。
AIの情報更新サイクルには時間がかかります。全ての施策を実行した上で、最低でも1ヶ月は待ってみてください。焦って同じ施策を繰り返しても効果は変わりません。
情報源の特定が難しい場合や、技術的な実装が必要な場合は、AI検索対策の専門会社に相談することをお勧めします。依頼先の見極め方はAI検索対策(GEO・LLMO)会社の選び方を参考にしてください。
Geminiに表示される自社情報は、放っておいて正しくなるものではありません。正確な情報を、正しい場所に、一貫した形で設置し、継続的にメンテナンスする。これが基本です。
優先順位をまとめます。
一つひとつは地道な作業ですが、これらを確実に実行すれば、Geminiでの表示は着実に改善が見込めます。なお、GeminiだけでなくChatGPTでも間違った情報が出る場合は、ChatGPTに自社が出てこない——原因と今すぐできる5つの対処法もあわせてご覧ください。
NAVIGATEでは、Gemini・ChatGPT・Claudeでの御社の表示状況を複数回計測で診断し、誤情報の修正施策の立案から実装まで一貫して支援しています。「Geminiの表示を直したいが何から手をつければいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。現状診断は無料です。詳細はAI検索対策(AIEO)サービスページをご覧ください。
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