AIEO2026年4月26日

構造化データ(JSON-LD)入門——AIとGoogleの両方に効くサイト設計

構造化データ(JSON-LD)とは何か、なぜAIEOとSEOの両方に効くのか。Organization・FAQPageスキーマの書き方と設置方法を初心者向けに解説。

金井 成仁

金井 成仁

合同会社NAVIGATE 代表 | データサイエンティスト / AIコンサルタント

構造化データとは「機械が読める情報」

Webサイトには2種類の読者がいます。人間機械です。

人間はデザインされたページを目で見て情報を理解します。しかし、GoogleのクローラーやChatGPTのようなAIは、HTMLのコードを解析して情報を取得します。

ここで問題が起きます。

人間には伝わるけど、機械には伝わらない情報があるのです。

例えば、会社概要ページに「代表取締役 山田太郎」と書いてあるとします。人間は「この会社の代表は山田太郎さんだ」と即座に理解できます。しかし機械からすると、「代表取締役」が役職なのか、「山田太郎」が人名なのか、確信が持てません。

構造化データは、こうした情報を機械が確実に理解できる形式で記述する仕組みです。

JSON-LDとは

構造化データの記述形式にはいくつかの種類がありますが、現在最も推奨されているのがJSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data) です。

JSON-LDは、HTMLのhead内に埋め込むJavaScriptの一種で、ページの内容を機械が読める形で記述します。

ページのデザインや表示には一切影響しません。ユーザーの目に触れることもありません。裏側で、GoogleやAIに向けて「このページにはこういう情報が載っています」と伝えるためのものです。

なぜAIEOとSEOの両方に効くのか

SEOへの効果

Googleは構造化データを活用して、検索結果にリッチリザルト(強調表示)を生成します。

  • FAQが検索結果に直接表示される
  • 会社名を検索したときにナレッジパネルが表示される
  • 「People Also Ask」に自社のFAQが引用される

これらはすべてクリック率の向上につながります。

AIEOへの効果

ChatGPTやClaudeなどのAIは、構造化データを情報源の一つとして参照します。

構造化データがあると、AIは以下のような質問に正確に回答しやすくなります。

  • 「○○会社の代表は誰?」
  • 「○○会社の事業内容は?」
  • 「○○のサービスの料金は?」
  • 「○○はどんな会社?」

構造化データなしでもAIは回答を試みますが、情報の確実性が下がります。構造化データがあれば、AIは自信を持って正確な回答を生成できます。

中小企業が最低限設置すべき2つのスキーマ

構造化データにはさまざまな種類(スキーマ)がありますが、中小企業がまず設置すべきは2つだけです。

1. Organizationスキーマ

会社の基本情報を記述します。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "株式会社○○",
  "url": "https://example.com",
  "logo": "https://example.com/logo.png",
  "foundingDate": "2020-04",
  "founder": {
    "@type": "Person",
    "name": "山田 太郎",
    "jobTitle": "代表取締役"
  },
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "addressLocality": "渋谷区",
    "addressRegion": "東京都",
    "addressCountry": "JP"
  },
  "description": "○○を提供する東京のIT企業です。",
  "email": "[email protected]"
}

含めるべき情報:

  • 会社名(正式名称)
  • URL
  • ロゴ画像のURL
  • 設立日
  • 代表者名と役職
  • 所在地
  • 事業内容の説明
  • 連絡先

2. FAQPageスキーマ

よくある質問と回答のペアを記述します。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "御社のサービスの特徴は何ですか?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "当社は○○を特徴としたサービスを提供しています。具体的には..."
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "料金はいくらですか?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "基本プランは月額○○円からです。..."
      }
    }
  ]
}

FAQに含めるべき質問(5〜10問):

  • サービスの特徴は?
  • 料金はいくら?
  • 対応業種は?
  • 対応エリアは?
  • 他社との違いは?
  • 導入期間はどのくらい?
  • 実績はある?

設置方法

Step 1:JSON-LDコードを作成する

上記のテンプレートをもとに、自社の情報を入れたJSON-LDコードを作成します。

手動で書くのが難しい場合は、「JSON-LD generator」で検索すると、フォームに入力するだけでコードを生成してくれるツールが見つかります。

Step 2:HTMLに埋め込む

作成したJSON-LDコードを、以下の形式でHTMLのhead内に追加します。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  ...
}
</script>

WordPressの場合は、テーマのheader.phpに直接記述するか、「Head & Footer Code」などのプラグインを使って追加できます。

Step 3:検証する

Googleが提供するリッチリザルトテストにURLを入力して、構造化データが正しく認識されているか確認します。

エラーがなければ設置完了です。

よくある間違い

1. 実際のページ内容と異なる情報を書く

構造化データに書く情報は、ページ上に実際に表示されている内容と一致している必要があります。ページには書いていない情報を構造化データにだけ記述するのはGoogleのガイドライン違反です。

2. 構造化データを入れすぎる

必要以上にスキーマを詰め込むと、逆にGoogleからスパム判定されるリスクがあります。まずはOrganizationとFAQPageの2つで十分です。

3. 設置後に放置する

会社情報やサービス内容が変わったら、構造化データも更新してください。古い情報のままだと、AIやGoogleが誤った情報を表示する原因になります。

まとめ

構造化データ(JSON-LD)は、AIとGoogleの両方に自社の情報を正確に伝えるための仕組みです。

まずはOrganizationスキーマFAQPageスキーマの2つを設置してください。これだけで、SEOのリッチリザルトとAIEOの回答精度の両方が向上します。

設置にかかる時間は2〜3時間。費用は自分でやれば0円。それでいて効果は長期的に持続します。

構造化データの設置は、SEO対策とAIEO対策を同時に実現できる、最もコストパフォーマンスの高い施策の一つです。

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