データ活用2026年7月28日

GA4のデータをBIツールで可視化する方法——Looker Studio・Power BI・NAVIGATE BIの比較

GA4のデータをBIツールで効果的に可視化する方法を解説。Looker Studio・Power BI・NAVIGATE BIの3つのアプローチを比較し、それぞれの導入手順とメリット・デメリットを紹介します。

金井 成仁

金井 成仁

合同会社NAVIGATE 代表 | データサイエンティスト / AIコンサルタント

合同会社NAVIGATE 代表の金井です。

Google Analytics 4(GA4)に移行して数年が経ちましたが、「データは溜まっているのに活用できていない」という声を多くの企業から聞きます。

GA4の標準レポートは確かに多機能ですが、「見たい切り口でデータを見る」「経営層に分かりやすく報告する」という場面では力不足を感じることも多いのではないでしょうか。

本記事では、GA4のデータを外部のBIツールで可視化する3つの方法を、実際の手順とともに解説します。

GA4標準レポートの限界

まず、GA4の標準レポートで多くの企業が感じている課題を整理します。

UIの複雑さ

GA4はユニバーサルアナリティクス(UA)と比較して、UIが大幅に変更されました。「探索レポート」を使えば柔軟な分析は可能ですが、ディメンションや指標の設定、セグメントの作成など、操作に慣れるまでの学習コストが高いのが実情です。

マーケティング担当者や経営層が「自分でデータを見に行ける」状態を作るのが難しい。これがGA4の最大の課題です。

カスタマイズの限界

標準レポートのレイアウトや表示形式は固定されており、自社独自のKPIダッシュボードを構築するには探索レポートを駆使する必要があります。しかし、探索レポートには以下の制約があります。

  • 共有設定が限定的(個人レベルでの作成が基本)
  • データの保持期間に制約がある(最大14ヶ月)
  • 他のデータソースとの統合ができない
  • 見た目のカスタマイズ幅が狭い

レポーティング業務の非効率

週次・月次で経営層にWebサイトのパフォーマンスを報告する場合、GA4の画面をキャプチャしてスライドに貼り付ける。そんな作業に毎回30分以上かけている企業は少なくありません。

BIツールと連携すれば、こうしたレポート作成を自動化し、常に最新のデータをダッシュボードで確認できるようになります。

方法1:Looker StudioでGA4を可視化する

特徴

Looker StudioはGA4との連携が最もスムーズな選択肢です。同じGoogle製品であるため、ネイティブコネクタが用意されており、数クリックでデータを接続できます。近年はGoogleがAI機能の統合を進めており、自然言語での操作やAIによる集計の補助も段階的に強化されています(この流れはGoogleが「データに話しかける」時代を本気で作りにきたで詳しく書いています)。

導入手順

ステップ1:Looker Studioにアクセス

lookerstudio.google.comにアクセスし、Googleアカウントでログインします。

ステップ2:データソースの追加

「作成」→「データソース」→「Google アナリティクス」を選択。GA4プロパティを選んで接続します。承認画面が表示されたら許可をクリック。

ステップ3:レポートの作成

テンプレートを使う方法と、空白のキャンバスから作る方法があります。初めての場合はテンプレートギャラリーから「GA4」で検索し、既存のテンプレートをベースにカスタマイズするのがおすすめです。

ステップ4:主要KPIの配置

以下のような指標をダッシュボードに配置します。

  • セッション数・ユーザー数の推移(折れ線グラフ)
  • チャネル別のセッション構成(円グラフ)
  • ページ別の表示回数ランキング(テーブル)
  • コンバージョン率の推移(スコアカード)
  • デバイス別のユーザー比率(積み上げ棒グラフ)

ステップ5:共有設定

右上の「共有」ボタンからURLを共有、または定期的なメール配信を設定します。

メリット

  • 無料で利用できる
  • GA4とのネイティブ連携で設定が簡単
  • テンプレートが豊富
  • URLで簡単に共有可能
  • 自動更新でレポート作成が不要

デメリット

  • 大量データの処理速度が遅いことがある
  • 計算フィールドの表現力に限界がある
  • サンプリングされたデータが表示される場合がある
  • データの加工・変換機能が弱い

方法2:Power BIでGA4を可視化する

特徴

Power BIでGA4を可視化するには、BigQuery経由で接続するのが一般的です。GA4のデータをBigQueryにエクスポートし、Power BIからBigQueryに接続するという流れになります。

導入手順

ステップ1:GA4からBigQueryへのエクスポート設定

GA4の管理画面から「BigQueryリンク」を設定します。

  • GA4管理画面 → プロパティ設定 → BigQueryリンク
  • BigQueryプロジェクトを選択
  • エクスポートタイプ(毎日/ストリーミング)を選択

設定後、翌日からデータがBigQueryに蓄積されます。

ステップ2:BigQueryでのデータ準備

GA4のBigQueryエクスポートデータはネストされた構造になっているため、ビューやスケジュールクエリでフラットなテーブルに変換しておくと、Power BIでの操作がスムーズになります。

例えば、日別のセッション数やページビュー数をまとめたサマリーテーブルを作成しておくと便利です。

ステップ3:Power BIからBigQueryに接続

Power BI Desktop → 「データを取得」→「Google BigQuery」を選択。Googleアカウントで認証し、プロジェクトとデータセットを指定します。

ステップ4:データモデルの構築

Power BIのデータモデルでテーブル間のリレーションシップを設定し、DAXで必要な計算指標を定義します。

ステップ5:ダッシュボードの作成

Power BIのビジュアルを使ってダッシュボードを構築します。フィルターやスライサーを設定し、インタラクティブに分析できる環境を整えます。

メリット

  • BigQuery経由で生データにアクセスでき、サンプリングの影響を受けない
  • Power Queryでデータの前処理が柔軟にできる
  • 他のデータソース(CRM、広告データなど)と統合しやすい
  • DAXによる高度な計算指標の定義が可能
  • 予測分析やAIインサイト機能を活用できる

デメリット

  • BigQueryの設定が必要(技術的なハードルが高い)
  • BigQueryの利用料金が発生する(分析クエリ量による従量課金)
  • Power BI Proのライセンス費用がかかる
  • 初期設定に数日〜1週間程度かかる
  • GA4のBigQueryスキーマの理解が必要

Power BIとLooker Studioのどちらが自社に向くかは、Power BIとLooker Studio——中小企業はどちらを選ぶべきかで詳しく比較しています。

方法3:NAVIGATE BIでGA4を可視化する

特徴

NAVIGATE BIは「日本語で質問するだけ」でGA4のデータを可視化できる自然言語BIツールです。SQLもDAXも計算フィールドの設定も不要。「先月のPV数は?」「オーガニック検索からのコンバージョン数を月別で見せて」と入力するだけで、即座にグラフや表が表示されます。

導入手順

ステップ1:データソースの接続

NAVIGATE BIの管理画面からGA4プロパティを接続します。OAuth認証で数クリックで完了します。

ステップ2:質問を入力する

ダッシュボード画面の入力欄に、知りたいことを日本語で入力します。

例:

  • 「今月のセッション数と先月比を教えて」
  • 「直帰率が高いページのトップ10は?」
  • 「SNSからの流入はどのチャネルが多い?」
  • 「コンバージョン率が改善しているページを見せて」

ステップ3:ダッシュボードへの保存

生成されたグラフや表は、ダッシュボードに固定できます。よく確認するKPIを並べておけば、毎朝データを確認する習慣が自然と生まれます。

メリット

  • 専門知識が一切不要
  • 日本語で質問するだけで即座に可視化
  • 分析スキルのないメンバーも全員がデータにアクセスできる
  • 「何を聞けばいいか」を提案するサジェスト機能付き
  • レポート作成の完全自動化が可能

デメリット

  • 非常に複雑なカスタム分析には向かない場面もある
  • 有料サービスである
  • データモデリングの自由度はPower BIに劣る

3つのアプローチの比較まとめ

比較項目Looker StudioPower BINAVIGATE BI
初期コスト無料BigQuery + Power BI Pro有料プラン
設定の難易度低い高い非常に低い
必要な技術スキル基本的なBI操作SQL + DAX + BigQuery不要(日本語入力のみ)
データの鮮度リアルタイムBigQuery更新頻度による接続設定による
カスタマイズ性中程度非常に高い中程度
他データとの統合限定的非常に柔軟対応データソースによる
共有のしやすさURL共有(無料)ライセンス必要URL共有
導入期間即日1〜2週間即日

どのツールを選ぶべきか——3つのシナリオ

シナリオ1:まず無料で始めたい

おすすめ:Looker Studio

GA4との連携が最も手軽で、テンプレートを使えば30分程度で基本的なダッシュボードが完成します。Web担当者が一人で運用できるレベルの分析であれば、Looker Studioで十分です。

シナリオ2:複数のデータソースを統合した本格的な分析基盤が必要

おすすめ:Power BI(+ BigQuery)

GA4だけでなく、CRMデータ・広告データ・売上データを横断して分析したい場合は、Power BIの統合力が活きます。ただし、社内にデータエンジニアやBI担当者がいることが前提です。

シナリオ3:全社員がデータを見られる文化を作りたい

おすすめ:NAVIGATE BI

「データ活用は一部の詳しい人だけのもの」という状況を変えたいなら、自然言語BIが最も効果的な選択肢のひとつです。営業担当が「先週の問い合わせ数は?」と聞き、経営者が「前年同月比の売上推移を見せて」と聞く。そんなデータドリブンな文化を最短で構築できます(自然言語BIの背景は自然言語でデータ分析する時代もご覧ください)。

GA4データ活用を成功させる3つのポイント

最後に、どのツールを選ぶにしても共通する成功のポイントをお伝えします。

1. まずKPIを明確にする

「何でも見られる」ダッシュボードを作ろうとすると挫折します。まずは3〜5個の重要KPIに絞り、それを毎日チェックする習慣をつけることが先です(指標の選び方は経営ダッシュボードの作り方にまとめています)。

2. 見る人に合わせて情報量を調整する

経営層には概要レベルの数字を、マーケティング担当には詳細なブレイクダウンを。同じデータでも見る人によって最適な粒度は異なります。

3. アクションにつなげる仕組みを作る

データを見て「ふーん」で終わっては意味がありません。「この数値がこの閾値を下回ったらこのアクションを取る」というルールを事前に決めておくことで、データが意思決定に直結します。

まとめ

GA4のデータ活用は、ツール選びよりも「誰が」「何のために」見るのかを明確にすることが重要です。

  • Webリテラシーの高い担当者が運用する → Looker Studio
  • データ基盤を本格構築する → Power BI + BigQuery
  • 誰もがデータに触れられる環境を作る → NAVIGATE BI

自社に合ったアプローチが分からない場合は、まずLooker Studioで小さく始め、組織のデータ活用が進んだ段階で次のステップを検討するのが現実的です。


「GA4のデータを活用したいが何から始めればいいか分からない」「ダッシュボードを作ったが誰も見ていない」。そんなお悩みがあれば、NAVIGATEにご相談ください。御社のデータ活用の現状をヒアリングし、最適なツール選定から運用定着まで一貫してサポートいたします。自然言語BIツール「NAVIGATE BI」の無料デモも実施しています。

無料相談を申し込む

BI DEMO

日本語で聞くだけのBI、実物を見てください

「先月いちばん売れた商品は?」と日本語で聞くだけで、AIがグラフと分析を返します。御社のデータを使ったデモをご覧いただけます。